M-1感想


きっと来年の私は、去年のM-1の自分の感想を探していると思うので、しぶしぶながら書いておく。正直、めんどくさい。こんなの書いてる場合じゃない。明日朝から市役所行かなきゃいけない。今日、赤いきつね一口と柔らか剣先イカフライとみかんしか食べていない。だめっぽい。

それはおいといて、今年のM-1、前日からすごく楽しみにしていて、というか心の拠り所にしていて、もうこうなったらまたしてもカタカタしながら見ようと決めて、準備を整えて挑んだ。そしたら上沼恵美子の出オチでもう満足してしまった。それからあとはもうずっと飽きていて、ちゃんとネタを見ていない。ネタ制限時間である4分持たない。CM入るのが待ち遠しい。そんな具合で、ちゃんと見ていないのに、いつのまにかちゃんと見ちゃってる芸人さんとか、今度こそちゃんと見ようと思って出囃子を迎えたのに、すぐに見なくなっちゃってる芸人さんとか、そういうあたりを1人楽しみながら、適当にカタカタしていた。誰がどうだったかとか、今回ほんとにどうでもいい。M-1というイベントがつつがなく進行した、それが一番大事。

なんというか、7回目ともなると、生放送の緊張感がほとんど感じられなくて、最終決戦の三組が並んだCM明け、舞台に裏方であるマイクさんが映りこみ、芸人にマイクを装着中、ちょっとちょっとと言いながらフォローする今田耕司という情景すら、ハプニングではなくて、ハプニングめいたもの、にしか見えなくて、まったく私という生き物は贅沢だと思った。慣れっていやあねえ。

そんで、前半ちゃんと見たのは、笑い飯とポイズンと千鳥くらいだったのかなあ、記憶が曖昧。気がついたらちゃんと見たっぽいコンビはみんな脱落してた。そんで、サンドウィッチマンが出てきて、前半で飽きて、いや、おもしろくないとかおもしろいという問題ではなくて、私が単にもうテレビを見るということに飽きていた。注意力散漫。半無意識でもカタカタはできるので、カタカタのほうがテレビよりえらい。

いやいや、最終決戦三組のネタくらいは、ちゃんと見ましょうよ、と思って、座りなおして、挑んだんだけど、点数の高い順に出番を決めていくところしか覚えていない。サンドウィッチマンが一番最初の選べる権利を持っていて、最後を選んで、キングコングが二番目に二番目を選んで、トータルテンボスが最後に一番を選んでいた。

トータルテンボスは、なんのネタだったのかおぼろげ。旅行代理店だっけ。終わりがけに「最近は、最後の締めに『今日のハイライト』的なのはやんないのかなあ」とか思っていたのだけど、4分の制限時間じゃ入れようがないのか。そもそもあれはなんだったのか。ほんとにトータルテンボスがやってたっけ。もうどうでもよい。

キングコングは、ほぼ、見てない。ネタの設定も記憶にない。「だだすべりすればいいのに」と楽しみにしていたのに、あんまりそういう雰囲気じゃないから、もう、あっというまに飽きていた。もっとリズムのあるネタやればいいのに、くらいは思ったかなあ。というか、終始西野がおかしな顔をしていた気がした。M-1は芸人の顔が変形するので、そこが見所だと思う。

サンドウィッチマンは、アンケートだったっけ。これもおぼろげ。ヤクザっぽい金髪の小太りより、黒髪で目つきのおかしい小太りのほうが気になった。ヤクザの人は、しゃべるととても普通、というところが武器なんだろうけど、その普通具合にぜひみがきをかけていってほしいものだと思う。たぶん、三組の中では一番ちゃんと見た。

漫才が上手い、というか、テクニック、という点から見たら、キングコングは、かなりかっちりした漫才をした印象を受けて、なんで最終決戦にそれを持ってきたんだろう、まあ、そういう作戦もありなのかなあ、と思った。でもそれじゃあ普通の漫才コンクールと変わらないような気がして私の好む方向とはずれるなあ、と思った、今。

トータルテンボスは、この三組では一番思い入れがあるように思うのだけど、なんだか今年はちっとも見られなかった。いい意味でも悪い意味でも、ちょっと落ち着いちゃった印象があるのかなあ。安心感がありすぎると、まあ、見なくていいかな、って思ってしまう。

サンドウィッチマンは、今回初めて見るコンビだったのだけど、正しくダークホース、正しくサクセスストーリー。ぽっと出というレッテルを貼り付けて見るにはあまりにもきちんとした実力がありすぎて、ちょっと引いてしまったのかもしれない。ああ、うまいなあ、ああ、おもしろいなあ、ああ妥当かなあ、っていう。

優勝はサンドウィッチマン。よかったねーという気持ち。ぼんやりしたやくざ風の人と、上京して9年いまだに2人で住んでますと泣けるコメントをした普通に小太りの人、は覚えている。ていうか、オートバックスの社長を楽しみにしてなのに、思ってたのとちがうの出てきてがっかりした。あんなの私の愛する社長じゃない。


審査員の票は割れていた。ラサール石井中田カウストータルテンボス大竹まことキングコング。いま、はじめて確認したのだけど、サンドウィッチマンに票を入れたのが、島田紳介松本人志上沼恵美子オール巨人という面々。審査員って、好みがあるようで、たぶん、すごく好みとは別のところで採点してたりするんだろうなあ、って思った、今。


というか、公式サイトを見ていて気がついたんだけど、千鳥の点数。

    合計  島田  松本  上沼 ラサール オール 大竹 中田
千鳥 580    86    80     85    80    87    81     81

90点台が一人もいない。しかも一番評価してるのがオール巨人師匠て。なんだろうなあ。千鳥、好きなんだけどなあ。この得点に不満があるわけじゃなくて、どうやったら千鳥はM-1で上位に食い込むのかを考えたい感じ。世界観がありすぎるとだめなのかなあ。

90点台がいないコンビには、ダイアンも。それにしても、ダイアン、キャッチフレーズ通り、ものすごい月見草ぶり。びっくりするわー。さすがやわー。

最下位だったポイズンは、ポイズンガールバンドなのかポイズンガールズバンドなのか、迷わなかったことがないし、本当はアルファベット表記なんだけど、すげえめんどいからカタカナでいいやといつも思う。手抜き。最下位だけど、松本が90点つけてた。というか千鳥とたった3点差なので、ほんと、千鳥はどうやったらいいんだろうか。真剣に考えたほうがいいんじゃないだろうか。

ネタ選択がまちがってるとか、ネタ構成がまちがってるとか、そもそも漫才としてわりと亜流、というあたりも持ち出さなければいけないのだろうか。私としては、千鳥はまちがってこそ輝くタイプだと思うので、これ以上ないというくらいにまちがっていってほしいのだけども、どうも世の中そううまくはいかない。来年もM-1で千鳥が見たい。ものすごくまちがってほしい。

ツイッターを振り返ったら、やたらと、上沼恵美子と、ハリセンボンのはるな(メガネのほう)に食いついていた。ハリセンボンは漫才というより存在がおもしろい。上沼恵美子も。

上沼恵美子、どピンクのでっかいコサージュを胸にしていて、もうなんだかあれが欲しい気すらしてきた。あのどピンクのでっかいコサージュを胸につけたら、私もおもしろくなれるんじゃないだろうか。別におもしろくなりたいわけじゃないが。

まあ、そんな感じで、来年の私には、M-1なんか見る暇がなくて彼氏とデートだとかそういうあれで、がんばっていてほしい。切に願う。