母に電話したついでに、今期の渡る世間は鬼ばかりを見ているのか尋ねたところ、案の定、見ているとのこと。
まるで親戚の話のように、「真がどっかの中小企業の社長の娘と付き合っててさ、ほら、あの子就職決まってないから、あっちのお父さんに、東大生にうちを継いでもらえたらだとか言われてて」だとか、「やよいんとこのあかりは、子ども置いてシンガポールに男を追っかけて行っちゃって」だとか、母も母だが、ついていける私も私。
「あかりの弟、ほら、なんて名前だっけ？」
という母に、
「たけし？」
って即答できた自分に気がついたとき、さすがにどうかと思った。
